ロータリアンの広場


バケツを下ろせ!
2510地区 地区職業奉仕委員長
玉井清治(函館亀田)
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玉井清治(函館亀田)

長期間に及ぶ新型コロナウィルス感染症の影響で日本、いや全世界の経済活動が停滞し、ロータリアンの職場への悪影響が更に深刻となっております。社会へ奉仕するロータリークラブですが、職業人で構成されている以上、会員の事業所の永続的繁栄に不安を抱えていては、素晴らしい社会奉仕を実践することはできないでしょう。つまり、自分が空腹であっては、飢えに苦しんでいる弱者に美味しい「パン」を与える気持ちが薄れてしまうということです。いま、私たちロータリークラブが第一に考えなければならないことは、会員基盤の維持にあるように思います。  クラブ例会を通常通り開催するか否かを議論している現在、地域社会への奉仕が思うようにできないストレスが皆様の心の中に潜在しているように思いますが、ロータリーの社会奉仕を今一度考え直すと、実は実践活動だけではないことに気づきました。  手続要覧に掲載されております「社会奉仕に関する1923年の声明」はバイブルとも呼ばれている「決議23-34」であることは言うまでもありませんが、「社会奉仕に関する1992年の声明」がロータリー章典に掲載されております。社会奉仕活動に対するロータリーの方針を明確に表すために、その原則を10箇条にて表現しておりますが、その中で私が注視した4箇条をご紹介いたします。

1)地域社会における奉仕の機会を定期的に調査し、各クラブ会員に地域のニーズを検討させること。
8)社会奉仕プロジェクトが一般社会の人々に十分認められるようにすること。
9)社会奉仕活動において他団体の協同参加を促進する触媒としての役割を果たすこと。
10)適切であれば、地元地域社会、奉仕団体、その他諸団体に、継続中のプロジェクトを委譲すること。
 そうすれば、ロータリークラブは新プロジェクトに携わることが可能となる。
ロータリー章典(2020年4月)8.040. 社会奉仕の基本原則より抜粋

@社会奉仕は実践のみではなく、調査・ニーズを検討することも含まれるということ。
G黙々と奉仕活動をするだけではなく、認められるように努力し、広報活動も大事だということ。
Hロータリー触媒論を理解し、チャンネルとしての機能も必要。
Iは、継続することも大事だが、新しい奉仕を考え、実行することを忘れてはならない。

以上のことを奨励していると私は解釈しました。そして、いずれもクラブ会員全員が外へ赴いて実践するのではなく、クラブ例会(またはZOOM例会)にて行うことのできる社会奉仕活動だと思います。更に自らの職業に置き換えて考えると、この声明文は職業奉仕にも活用できる素晴らしいドキュメントなのです。

 長年ボランティア活動のみに奔走してきたロータリーですが、新型コロナウィルス感染症の影響にて活動出来ないことを理由に停滞するのではなく、いまクラブとしてやるべきことを立ち止まって真剣に考え、行動することが会員基盤の維持向上に繋がり、ひいては地域社会への奉仕活動活性化に大きく及ぶものだと信じております。
 小林雅一氏をご存じでしょうか?名古屋ロータリークラブの生みの親で、戦後1949年3月23日、東京仮ロータリークラブができた際、会長に就任された方です。また、1957年日本人として4番目の国際ロータリー第1副会長に選任されておられます。終戦後復興期の1952(昭和27)年11月8日、名古屋の地区大会に於いて「バケツを下ろせ」と題して、ロータリーの奉仕は遠くまで探さなくても自分の足下にいくらでもころがっていると説いて参加者全員に感銘を与えたという素晴らしい逸話が残っております。
「まずは足下から!」
「まずは職業奉仕から!」
「そして地域社会へ!」

(2021.04.05)

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