ロータリアンの広場


「Be the inspiration」
2630地区 PDG 服部芳樹(岐阜)
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2630地区 PDG 服部芳樹

 太安万侶(おおの やすまろ)が稗田阿礼(ひえだ のあれ)の口伝によって古事記を撰録した時、日本語には「語り言葉」だけで、記すべき文字がなかったので苦心したと述べています。つまり、漢字(漢語)とう外国語しか「書き文字」がなかったので、日本の語り言葉の意味に漢字(漢語)の意味を意訳して当て嵌めた「=日本語の概念規定を作った」わけですが、意味として理解できても、語り言葉としての日本語の微妙なニュアンスを伝えるに不十分で、「うた」の部分には漢字のもつ意味を捨てその音のみを用いた「字音表記」(上野 誠)いわゆる万葉仮名が工夫され、現代の仮名が生まれたといわれています。

 今日(こんにち)では、漢字=漢語が→英語となり、これをカタカナ表記にして行くという古事記以来の日本語の創作方法が続いていること、即ち、日本語は絶え間なく語彙を増殖していることは、広辞苑改定のニュースでも報じられているところです。従って、カタカナエイゴは日本語であって、その概念規定は元の英語とは、似て非なるものであり、元の英語の意味を伝えるものではないと考えられます。

 「モーニング」とは、何を指すのかご存知でしょうか?中部地方の方ならお判りでしょうが、愛知県一宮市を起源とする由の日本語です。喫茶店でコーヒー一杯の価格で、パンや卵、ミニサラダとか果物、甚だしきは茶碗蒸し、ヨーグルト迄つくというサービス。「ランチはモーニングで済ませた」「一日中モーニングあります」どちらも、何の不思議もなく通用する日本語です。「スーパーの買い物」と言われて、極上品の買い物だと思う人はいないのと同じです。ミニスーパとタイトルを付けた店もあります。

 さて、「インスピレーション」は日本語としての概念規定があり、英語の「inspiration」ではありません。この解説は、刀根荘兵衛PGが詳細に述べられています。 思い起こすのは、ロータリーの綱領旧訳にあった、鼓を打ち笛を吹き舞を舞って士気を高める意の漢語「鼓吹・鼓舞」です。(encourage and foster。)新訳は「奨励」。

 また、決議23-34第2項、集団で学び、集団で実践し、それを体得した個人が実践し、・・学んだものをやって見せて大いに説く。(stimulate)即ち、実践して感化し、激励する手法です。Be the inspiration 、英語では・・感化し励ます人であれ・・との解釈ができると思います。燃えよロータリーアン、とでも訳したいところです。

 また、日本語「ある」と「なる」では意味が違い、この訳での用法「なれ・なろう」の中には「今はそうではない」という否定的な意味を含んでいるので違和感を覚えます。

  確かに、英語の辞書的訳としては間違いではないのでしょうが、日本語としては意味の通り難(にく)い言葉で、先回の決議審議会にも当2630地区から、日本語訳は日本語の知識が深い日本のボランティアの関与を求めるよう案件を上程しました。  最後に、最近「入りて学び 出でて奉仕せよ」に替り、国際協議会の会場に掲げられているというスローガンの拙訳をご笑覧下さい。

 「リーダよ 輪に坐して叡智を交わし 起(た)て 炎となって行動せよ」
(叡智=Idea=理念・炎となって= Be the inspiration )。    

(2018.02.07)

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